運転中に車のパネルを見て、ふとオイルランプが点灯したり消えたりしていることに気づいた経験はありませんか?
この小さなランプの挙動は、あなたの車の健康状態に大きく影響するサインです。
オイルランプは、エンジンオイルの量や油圧に異常があることを知らせるランプで、アラジンの魔法ランプのような形をしています。
オイルランプは、油圧警告灯とも呼ばれ、エンジンの異常を示す重要な機能を果たします。もしランプが点灯したまま走行を続けると、エンジンが故障することもある危険な状態です。
では、なぜオイルランプは点灯したままではなく、点いたり消えたりするのでしょうか。そして、見つけた場合はどのように対処すべきなのでしょうか。
この記事では、その原因と対処法について自動車修理の専門家が詳しく解説します。
どんなときにオイルランプが点いたり消えたりする?
オイルランプが点いたり消えたりする状況は、車の動きに密接に関係しています。それは特定の操作や運転状況に応じて起こり得る現象です。
以下に、よく見られる3つのシーンを紹介します。
アクセル・ブレーキを踏んだら点灯し消える
エンジンが高回転で動作しているときや、アクセルを踏んだときにオイルランプが一瞬点灯し、その後消えることがあります。
これはエンジンオイルの圧力が一時的に低下した可能性を示しています。
また、ブレーキを踏むとランプが点灯することもあります。これもオイルの圧力低下が原因の可能性があります。
ブレーキを踏んだ後でランプが点灯して消える
急ブレーキ後や停止状態から発進する際、オイルランプが一瞬点灯してすぐ消えることがあります。
これはエンジンの回転速度が一時的に下がり、オイル圧が低下するためです。
エンジンの回転数が戻るとランプは消えます。
カーブを曲がっていると一瞬だけランプが点灯する
カーブを曲がるときにオイルランプが一時的に点灯することがあります。
これは、カーブ中に車体が傾くことでエンジン内部のオイルが片側に集まり、オイルピックアップ(オイルを吸い上げる装置)がオイルを十分に吸い上げられないため、一時的にオイル圧が低下するからです。
カーブが終わると、オイルの位置が正常に戻り、ランプが消えます。
オイルランプが点いたり消えたりする原因は?
では、具体的にどのような不具合で、オイルランプが点いたり消えたりするのでしょうか。
次に、そのような現象を引き起こす可能性がある10の要因を解説します。
エンジンオイル量の不足
エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を軽減し、エンジンを保護します。
オイル量が不足するとオイルランプが点灯し、これはエンジンの適正オイルレベルを下回っていることを示しています。
オイル不足はエンジン内部の潤滑不足を引き起こし、エンジンの故障の可能性があります。
エンジンオイルの圧力が低い
オイル圧力が低いと、オイルがエンジン内部にスムーズに流れず、摩擦が増えてエンジンが焼き付く可能性があります。
これもオイルランプの点灯を引き起こします。
オイルポンプの故障
オイルポンプは、エンジンオイルをエンジン内部に送り込むポンプです。
オイルポンプが故障すると、オイルの供給が滞るため、オイルランプが点灯します。
これはエンジンの重大な損傷を引き起こす可能性があります。
オイルフィルターの目詰まり
オイルフィルターはオイルの循環経路に設置され、スラッジ(粘土の高い汚れ)や金属粉などの細かなゴミ・汚れを取り除きます。
フィルターが詰まると、オイルがスムーズに流れず、オイルランプが点灯します。この部品はオイルエレメントとも呼ばれます。
オイルストレーナーの詰まり
オイルストレーナーは、エンジンオイル中の大きなゴミや不純物を取り除く装置で、オイルパンからオイルを吸い上げる際に使用されます。
オイルストレーナーが詰まると、エンジンに流れるオイルに不純物が混入し、エンジンの部品にダメージを与える可能性があります。
オイル漏れ
オイル漏れは、エンジンオイルがエンジンの外部に漏れ出す状況を指します。
これによりオイル量が減少し、エンジンの潤滑が適切に行われなくなるとオイルランプが点灯します。
エンジンの焼付き
エンジンの焼付きは、エンジン内部の摩擦が高まり、エンジンが過熱し、金属部品が焼き付いてしまう現象です。
焼き付きが進行すると、エンジン内部でオイルが固まり、流れにくくなることからオイルランプが点灯します。
オイルクーラーの故障
オイルクーラーは、エンジンオイルの温度を下げるための装置です。
オイルクーラーが故障すると、エンジンオイルの温度が適切に制御されなくなり、オイルランプが点灯することがあります。
オイルセンサーの故障
オイルセンサーは、エンジンオイルの量や圧力を監視する装置です。
オイルセンサーが故障すると、エンジンオイルの量や圧力が正常でも、オイルランプが不適切に点灯したり消灯したりすることがあります。
コンピューターの故障
コンピューターは、エンジンの様々な部品を制御する装置です。
現代の車はコンピューター制御が多く、その故障がオイルランプの異常点灯を引き起こすことがあります。
コンピューターの故障は専用の装置で、専門的な診断と修理が必要になります。
オイルランプが点いたり消えたりしたら、どうすれば良い?
オイルランプが点灯することは、車に重大な問題が生じている可能性を示します。しかし、必ずしもすぐに恐怖を感じる必要はありません。
今の車は、一般的には急に停止したり壊れたりすることはありません。以下の手順に従って対処してください。
車を安全な場所に停める
車を運転していてオイルランプが点灯したら、まずは落ち着いて、安全な場所に車を停めてください。
ここでいう「安全な場所」は、他の車の通行を妨げない場所や、停車しても事故にならないような場所のことです。
オイルランプの色をチェックする
BMWや1部の車種によっては、オイルランプの色が2種類あります。一般的に赤色は緊急を要するもの、黄色またはオレンジ色は警告を表します。
赤色の場合、そのまま走行するのは危険ですので、エンジンを停止させてからディーラーやロードサービス、または整備工場に連絡してください。
エンジンオイルの量をチェックする
エンジンオイルの量は、車のボンネットを開けてエンジンオイルゲージで確認できます。一般的な確認方法は次のような手順です。
- 車を平地に駐車する
- エンジンを停止させ、冷却を待つ
- オイルフィラーキャップを外す
- オイルゲージを引き抜く
- 布でゲージに付着したオイルを拭き取る
- オイルゲージを再挿入する
- 再びオイルゲージを引き抜く
- ゲージ上の目盛りでオイルの量を確認する
ゲージ上の目盛りが最低限度以下であれば、エンジンオイルが不足しています。
この場合、必要に応じてエンジンオイルを補充または交換する必要があります。具体的な手順については、車の取扱説明書をご確認ください。
オイルが漏れていないか確認する
最後にオイルが漏れていないかを確認します。これは、車のエンジン下の地面にオイルの染みがないかで判断できます。
オイル漏れがある場合は、すぐに整備工場に車両を持ち込んでください。
オイルランプが点いたり消えたりしても走行して大丈夫?
オイルランプが点灯するという事象は、車が何らかの問題を抱えているという警告信号です。
エンジンの潤滑を保つためのオイルが不足している、またはそれ以外にもエンジンやオイルシステムに関連する問題が起きている可能性があります。
このため、オイルランプが点灯した場合には、そのまま走行を続けるのは非常にリスクが高いです。
オイルランプが点いたり消えたりするのは、車が重大なトラブルを招く前兆です。
大きな修理費用を避けるためにも、できるだけ早く専門の整備工場などで点検してもらうことをおすすめします。
オイルランプが点いたり消えたりすると、車にどんな影響が出る?
エンジンオイルはエンジン内部の部品を滑らかに動かす潤滑油であり、エンジンが上手く動くためには欠かせないものです。
オイルランプが点いたり消えたりしている状態をそのままにすると、車への影響は大きく以下のような症状がでます。
エンジンの焼付き
エンジンの焼付きとは、エンジンの各部品が摩擦によって熱くなり、その熱で固着してしまうことです。
オイルが不足すると部品同士が直接摩擦し、結果的に部品が高温になり焼きつく現象が発生します。
エンジンの焼付きが起こると、エンジンの性能が低下したり、エンジンが正常に作動しなくなったり、最悪の場合はエンジンが故障することもあります。
エンジンのオーバーヒート
エンジンオイルはエンジン内部の熱を冷却する役割も果たします。オイルが不足すると冷却機能が低下し、エンジン全体が過熱する「オーバーヒート」が起きます。
エンジンのオーバーヒートが発生すると、エンジンの各部品が熱で損傷し、最悪の場合はエンジンが故障することもあります。
エンジンの故障
エンジン焼付きやオーバーヒートはエンジンに大きな負担をかけ、その結果としてエンジン全体の故障を引き起こすことがあります。
エンジンが故障すると、車は全く動かなくなりますし、修理には大きな時間と費用が必要となります。
これらの状況は、どれも車を修理するために多くの費用と時間を必要とします。このため、オイルランプが点いたり消えたりする症状に気付いた場合は、すぐに対処することが大切です。
オイルランプが点いたり消えたりしたときの対処法
オイルランプが点灯して、車の状態をチェックした後に取るべき対処法をお伝えします。
エンジンオイルの補充や交換をする
エンジンオイルは自分で補充や交換することが可能です。オイル量が不足している場合は補充し、色が黒く濁っている場合は交換します。
ただし、車種によって指定されたオイルを使用することが大切です。
自分でのオイル交換に自信がない方や、近くのガソリンスタンドに適切なオイルがない場合は、ディーラーや専門の整備工場での交換をおすすめします。
ディーラーや整備工場に持ち込む
オイルの量に問題がなくても、オイルランプが点いたり消えたりする場合は、エンジンやオイルシステムに深刻な問題が発生している可能性があります。
このような状況では、専門知識を持つディーラーや整備工場に車を持ち込むことをおすすめします。
信頼できる整備工場では、オイルランプが点灯した原因を特定して、適切な処置を行なってくれます。何か不安なことがあれば、プロの手に任せた方が安心です。
整備工場で提供される主なサービス
車のオイルランプが点灯したとき、自分で対処が難しいと感じたら、整備工場に車を持ち込むのが一番です。
専門的な知識と技術を持つ整備士が、車の問題を効率的に解決してくれます。
ここでは、整備工場で提供される主なサービスをいくつかご紹介します。
オイル圧のチェック
オイル圧は、エンジンを動かす部品に潤滑油を送り込むための圧力です。
オイル圧が低いと、エンジンの潤滑が不十分になり、故障の原因となります。
整備工場では、専用の機器を使ってオイル圧を測定し、正常な範囲内にあるかどうかを確認します。
オイルポンプやオイルクーラーの点検
オイルをエンジン全体に循環させるオイルポンプや、オイルを冷却するためのオイルクーラーの機能をチェックします。
これらの部品が故障していると、オイルランプが点灯する原因となり得ます。
オイルストレーナーやオイルエレメントの点検・交換
オイル中の異物を取り除くオイルストレーナーや、エンジンの冷却・潤滑に関わるオイルの品質を保つオイルエレメントの機能を点検します。
これらの部品が詰まったり劣化したりすると、オイルランプが点灯する可能性があります。
オイル漏れの箇所を探す
オイル漏れもオイルランプが点灯する原因の一つです。
漏れている箇所を見つけることは難しく、整備士の経験と知識が必要です。整備士が車全体を調べ、オイル漏れの箇所を見つけだし、適切に処置します。
オイルセンサーの交換
オイルセンサーはエンジンのオイルレベルや圧力を監視する役割があります。
センサーが故障すると、オイルランプが不適切に点灯したり消えたりすることがあります。
整備工場では、専用の機器を使いオイルセンサーが正常に作動しているかを確認します。故障していれば新しいものに交換します。
コンピューターの点検・修理・交換
現代の車はエンジン管理システムがコンピュータ化されており、このシステムがオイルランプや他の警告灯の制御を担当しています。
システムの故障はオイルランプの誤動作を引き起こす可能性があります。
整備工場では、専用の診断機を用いて車両のコンピュータシステムを診断し、必要に応じて修理や交換を行います。
以上のような専門的なサービスを提供する整備工場は、あなたの車の問題を的確に特定し、適切な解決策を提供します。
外車の点検や修理であれば、外車専門の整備工場に依頼するのがおすすめです。
オイルランプが点灯した際には、安全な運転と長期的な車の健康を維持するために、専門的な点検と修理を検討してみてください。
オイルランプが点いたり消えたりするのを未然に防ぐ方法
オイルランプが点灯すると、それは車のエンジンオイルに問題があることを示しています。
このような状況になる前に予防策を講じることで、車の長寿命と効率的な性能を維持することが可能となります。
ここでは、そのための効果的な予防策を3つご紹介します。
エンジンオイル交換のタイミングを逃さない
エンジンオイルは、走行距離や使用年数に応じて定期的に交換する必要があります。
ついつい先延ばしにしがちなオイル交換ですが、愛車のパフォーマンスを保つためには重要な作業です。
車種によって交換時期は異なりますが、一般的には走行距離10,000kmもしくは年に1回の交換が目安とされています。
詳しい情報は車の取扱説明書を参照してください。
適切なエンジンオイルを選択する
適切なエンジンオイルの選択もエンジンのパフォーマンスに大きな影響を与えます。
各車種に最適なオイルはメーカーから指定されており、これを守ることが重要です。
ガソリンスタンドなどで簡単に交換するのではなく、車の取扱説明書に記載された指定オイルを使用するか、専門の整備工場でのオイル交換がおすすめです。
定期的なメンテナンス・車両診断を行う
車の健康を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。オイル交換だけでなく、オイルフィルターの交換やエンジン全体の診断も重要なポイントです。
初期段階でのエンジンオイルの漏れやオイルポンプの故障など、問題を発見し対処することで、車の寿命を延ばすことが可能になります。トラブルが大きくなる前に、定期的な車両診断を行いましょう。
まとめ:修理費用が高くなる前に定期的な車両診断を行いましょう!
この記事では、オイルランプが点灯したり消えたりする原因と対処法について詳しく解説しました。
オイルランプが点灯すると、エンジンに何か問題が発生している可能性があるため、それを無視することはできません。
しかし、自分でオイル交換を行ったり、オイル漏れをチェックしたりするのは大変です。そんなときは、信頼できる専門家に依頼することをおすすめします。
創業44年の「千城自動車」は、外車修理を専門に扱いつつ、国産車の整備も対応可能です。
専用のコンピューター外部診断機を用いて、年間1,000件以上の整備を実施してきた実績があります。
車に関する悩みや困りごとがあれば、千葉の「千城自動車」までお気軽にご相談ください。
定期的な車両診断により、修理費用が急増するのを防ぎ、安心してお車をお使いいただけます。