なんの予兆もなく車のエンジンがかからなくなって、慌てた経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
車のエンジンがかからない原因は故障とは限りません。エンジンスタートの手順を間違えているだけだったり、対応の方法を知っていれば、その場で解決できる場合があります。
この記事では、エンジンがかからないときにチェックする内容と、その場でできる対応方法をご紹介します。
エンジンがかからない場合にチェックすること
車のエンジンがかからない場合には、次のチェックポイントを順番に確認してみましょう。トラブルの原因を把握しやすくなります。
そして単純なミスの場合は、その場で簡単に解決できます。慌てずにひとつずつ確認してみましょう。
バッテリーが上がっていないかチェック
車のエンジンがかからない場合は、はじめにバッテリーが上がっていないかチェックします。
車のエンジンがかからない原因で一番多いのはバッテリー上がりです。
バッテリーに電気があるかチェック
はじめにスタートボタンを押して電源をONの状態にします。
差し込みタイプのキーを使う場合はACCやONの位置にキーを合わせます。
次にオーディオやパワーウィンドウなどの電装系が作動するかチェックしてみましょう。
オーディオが動かない場合はバッテリーが完全に上がっている状態です。
オーディオが動いてもパワーウィンドウの動きが遅い場合には、エンジン始動に必要な電力が不足している、バッテリー上がりの状態だと考えられます。
セルモーターが動くかチェック
バッテリーに電気がある場合にはスタートボタンを押して「キュルキュル」とモーター音がするか確認しましょう。
モーター音がしない場合にはバッテリー上がり、もしくはセルモーターの故障が原因と考えられます。
モーター音がするのにエンジンがかからない場合には、バッテリーとは別のトラブルが原因です。また、寒い季節には気温の低さが原因でエンジンが始動しないことがあります。
ジャンプスタートを試してみる
バッテリー上がりが考えられる場合は、ほかの車から電力供給してもらい、ジャンピングスタートでエンジンがかかるか試してみます。
ブースターケーブルが必要になるので車載工具を確認してみましょう。バッテリー上がりを簡単に解決するジャンプスターターなどを使うのもよいでしょう。
無事にエンジンが始動できたら、最寄りの自動車整備工場やディーラーでバッテリーの状態を確認してもらうのが安心です。
ガソリンが入っているかチェック
基本的な確認になりますが、ガソリンが入っているかチェックします。車のエンジンは、ガソリンが入ってなければ動きません。
また、長期間動かしていない車は、経年劣化によってガソリンの品質が悪くなってしまいます。ガソリンが入っているのにエンジンがかからない場合は、ガソリンの劣化がエンジンがかからない原因の一つと考えられます。
近年多くなってきたEV(電気)自動車の場合は、電池切れを起こすと車は動きません。
ブレーキペダルを踏んだかチェック
最近のAT車は誤発進防止のため、ブレーキペダルを踏まないとエンジンがかからないようになっています。
MT車もクラッチペダルを踏まないとエンジンがかからない仕様になっています。
ペダルをしっかり踏めているか確認してみましょう。
シフトレバーの位置をチェック
AT車の場合、シフトレバーの位置がパーキング(P)もしくはニュートラル(N)でないとエンジンはかかりません。
うっかりドライブ(D)に入れたままエンジンを切っていないか確認してみましょう。
シフトレバーをパーキング(P)に入れ直すことでエンジンがかかります。
ハンドルロックがかかっていないかチェック
ハンドルロックがかかっているとエンジンはかかりません。
ハンドルロックは防犯機能のひとつで、エンジンがかかっていない状態でハンドルを動かすと作動します。
車を降りたときにタイヤが横を向いているのが気になり、エンジンをかけずにハンドルを回してロックさせてしまうことがあります。エンジンをかけるためにはハンドルロックを解除する必要があります。
ハンドルを左右に細かく動かしながらスタートスイッチを押して下さい。または、キーをまわすとハンドルロックが解除されます。
スマートキーの電池が切れていないかチェック
スマートキーを使用している場合は、電池が切れていないかチェックします。一般的に電池の寿命は1〜2年とされています。
電池切れの疑いがある場合は、スマートキーに内蔵されているメカニカルキーを使用して、エンジンがかかるか試してみましょう。
メカニカルキーを使用したエンジンの始動方法はメーカーによって違うので、マニュアルや公式サイトで確認します。
どうしてもエンジンがかからない場合には
「エンジンがかからない場合にチェックする」をすべて試してもエンジンがかからない場合には、自力で解決するのが難しい状況です。
ロードサービスなどを使い、専門業者の助けを借りて対応しましょう。
加入している任意保険のロードサービスを使う
任意保険に加入している場合には、無料のロードサービスが付帯していることが多いです。多くの場合でロードサービスを使っても翌年の保険料が上がることはありません。
ガス欠の対応や、バッテリー上がりなどは無料で対応してもらえるケースがあります。その場で対応ができないトラブルは、提携している整備工場までレッカー移動を手配してもらえます。
ディーラーに持ち込みたいなど???配送先の希望は、距離などの条件は付きますが対応可能です。
サービス内容や契約状況は個々によって異なるため、詳細は保険会社の携帯カードや公式サイトで確認しましょう。
JAFのロードサービスを使う
JAF(日本自動車連盟)は、会員登録をしていなくても利用可能なロードサービスです。
電話や専用アプリを使うことでロードサービスを呼べます。
会員でない場合には、各サービスで料金が発生するため注意して下さい。
自動車整備工場のロードサービスを使う
自動車整備工場でもロードサービスに対応してくれる場合があります。自宅の近くで車が動かなくなった場合は、普段お世話になっている整備工場に問い合わせをしてみるのもよいでしょう。
ただし外車であれば注意が必要です。一般的な自動車整備工場は国産車には対応していても、外車の修理には対応していない場合もあります。
近くのガソリンスタンドを使う
周辺にガソリンスタンドがあれば、出張サービスに対応している店舗もあります。費用はかかりますが、手早く対応してもらいたい場合には選択肢のひとつにしてもよいでしょう。
ガソリンスタンドまで持ち込みができれば、バッテリー充電から交換まで対応してもらえます。もちろん、ガソリンの給油も行えます。
まとめ
車のエンジンがかからない場合の簡単なチェック方法と対応を説明しました。車のエンジンがかからない理由は故障とは限りません。
また、トラブルの内容によっては自力で解決できる場合があります。落ち着いてひとつずつチェックしてみるのが大切です。
自分で対応ができない場合には、プロの力を借りるためにロードサービスを呼びましょう。
日頃からトラブルを防止するために定期点検や整備をしておくことも大切です。トラブルに合う煩わしさや、対応するための時間を無駄にしないで済みます。
スマートキーの予備電池やジャンプスターターを車に積んでおけば、もしもの時のトラブルにも安心できるでしょう。